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山の郵便配達 - 1999年 ストーリー:中国・湖南省西部の山間地帯。車も容易に通れないこの地域にて、徒歩で郵便配達の仕事を続けてきた初老の男(トン・ルゥジュン)が足を患い、息子(リィウ・イェ)が仕事を引き継ぐことに。しかし父は息子の初仕事に同行し、それを自分の最後の務めとしようとする…。 感想:実に奥深い作品です。父演ずる トン・ルゥジュンのきめ細かく、観る者にその表情だけで気持ちがひしひしとこちらに伝わってきました。 親子と言えども郵便配達人の父は、ほとんど家におらず、それ故双方とも互いを理解していません。息子は一度も「とうさん」と父を呼んだこともなく、いつも父親に捨てられた如くの気持ちを抱いていました。 そんな二人が、この仕事を引き継ぐ為の旅によって互いを理解し、親子の情を深めて行く過程は、実に自然な描写であり、素朴な感動が伝わってきます。 近年を舞台にした作品ですが、日本において郵便配達人が徒歩で、それも崖をロープで登ったりと過酷な仕事ぶりは全く想像もつかないと思います。息子も始めて父の仕事を理解し、過去に感じていたさまざまな父への反発が、そのとき全く誤解だったことに気付くのでした。 父は口数か少なく、あえて言い訳もせず、語らないけれども、旅のさまざまな場面で、今まで知りえなかった父の自分への思いを感じていきます。 この作品も、過酷だけれど素朴な自然がとても美しい作品です。そして静かな余韻を残す作品でもあります。これも中国映画の名作のひとつだと思います。チャン・イーモウの「初恋の来た道」が好きな方にはおすすめです。これはラブ・ロマンスではなく、親子の情愛を描いたロード・ムービーでありますが、上記の作品と同様、中国の田舎を舞台にした作品で、素晴らしい映像美に溢れています。またひとつ素晴らしい作品にめぐり合い、満足な気分に浸れました。
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